【会社採用時の身辺調査】合法・違法の境界とは?調べられる範囲と調査方法

新卒者や転職者を採用する際、信頼性を確認するにあたって身辺調査を実施する企業が増えています。
「今はやっていないが、近い将来導入したい」と検討している企業においては、どこまで調べるのか、どうやって調査をするのか、違法行為にはならないのかなど、熟慮されていることでしょう。
本記事では、採用時における身辺調査の目的や必要性、また合法と違法の境界線などについて詳しく解説していきます。
採用試験に身辺調査の導入を検討中の担当者様や人事部の方々、またこれから採用試験を受ける予定の方にお役立ていただけますと幸いです。
採用試験における身辺調査の目的と必要性
身辺調査を導入している企業は増えている
採用試験における身辺調査(身元調査・バックグラウンドチェック)とは、採用候補者の経歴・背景・素行などを事前に確認する調査のことをいいます。
これまでは警察官や金融機関、大企業や外資系企業など一部の採用試験に導入されていましたが、現在は中小企業でも調査をおこなうところが増えているようです。
身辺調査をおこなう目的は「自社を守る」こと
身辺調査の目的の詳細は各企業で異なるものの、おもに次のような目的・理由から調査を導入しているところが多いようです。
- 反社チェック
- 企業スパイ・産業スパイの採用防止
- 入社後のミスマッチ回避
- 入社後の業務上横領・窃盗・情報流出等の防止
- 経歴詐称・虚偽申告の確認
- 社内のコンプライアンス強化
- 採用担当者の負担を減らすため
- SNS調査(不適切な内容を投稿していないか等)
いずれも共通しているのは、さまざまなリスクを避けて「自社ブランドを守る」という目的です。
採用候補者の本質を見抜けず、履歴書の内容や面接時のイメージのみで採用を決めてしまうと予測外のトラブルが発生する恐れがあります。
その結果、企業イメージや経営が大幅に悪化する恐れも考えられるでしょう。
このような事態を避けるためにも、事前に身辺調査をおこない、調査結果を採用・不採用の判断材料に加えることは有意義なことだと考えられます。
身辺調査される職業・業種の特徴
参考までに、採用試験に身辺調査を導入している可能性が高い職業・業種について確認しておきましょう。
- 警察・自衛隊・防衛関連企業
- 国家公務員・地方公務員・教員関係
- 航空・交通インフラ関連
- 金融機関(銀行・証券・保険)
- 上場企業
- 外資系企業
- 医療・製薬・バイオテクノロジー関連
- ITセキュリティ・システム開発
- 不動産・建設
- 士業(弁護士・税理士・司法書士など)
もちろん、上記すべての職業・業種に身辺調査が導入されているとは断言できません。
しかし警察や自衛官の採用においては、家族関係や思想信条に至るまで確認がおこなわれるといわれています。
また信用リスクを伴う職業・業種では、借金の有無・破産歴・反社会的勢力との関係は重視される傾向にあるようです。
求職者の立場では、採用選考の応募時、または内定承諾時に同意書を求められた場合、身辺調査が実施される可能性が高いと考えてください。
なお、身辺調査への同意は拒否することも可能です。
ただし、同意を拒否した場合、採用選考上不利になる余地があることは理解しておきましょう。
新卒と転職での身辺調査の違い
新卒採用では、職歴がないため学歴・資格・アルバイト経験の確認が中心になります。
一方で転職採用では、前職での実績・勤務態度・退職理由の確認が加わり、調査の範囲や深度が増すケースが多いようです。
特に大企業や上場企業、外資系企業においては、リファレンスチェック(前職での勤務態度の調査・関係者への聞き込み)などが加わるケースがあります。
身辺調査はいつ実施されるのか
身辺調査の実施のタイミングは各企業によって異なるものの、おもに以下の3つのいずれかで実施するところが多いようです。
- 最終面接前
- 面接後、内定者を決定する最終選考時
- 内定通知を出したあと
企業側からすると、内定通知後に身辺調査を実施して問題が発覚・浮上した場合、内定を取り消すには法的リスクを伴います。
よって、最終面接前、および最終選考に進む前に実施するのが現在の主流です。
身辺調査でどこまで調べられる?合法・違法の境界線

採用試験における身辺調査は違法ではない
結論から申し上げますと、身辺調査をおこなうこと自体は法律で禁止されているわけではありません。
ただし、個人情報保護法に抵触するような調査をしたり、違法な方法で情報を習得したり、調査後に合理的な理由なく内定を取り消したりすることで訴訟問題に発展することがあるため厳重な注意が必要です。
ここでは、どのような調査が違法になるのか、合法との境界線について交えながらさらに詳しく解説していきます。
違法になるケース:本人の同意なく身辺調査をおこなう
採用試験で身辺調査を実施する場合、採用候補者の同意なく調査をすると個人情報保護法に抵触する恐れがあります。
第十八条
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。
2 個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から事業を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、承継前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱ってはならない。
(引用元:e-GOV法令検索「個人情報保護法(利用目的による制限)」)
この法律における「要配慮個人情報」とは、次のような項目になります。
この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。
(引用元:e-GOV法令検索「個人情報保護法(定義)」)
法律に抵触しないためには、身辺調査をおこなう前に本人の同意を得ることが大切です。
同意を得ずに身辺調査をおこなうと、違法行為に抵触する恐れがあるためご注意ください。
違法になる可能性が高いケース1.:身辺調査後の内定取り消し
内定後に身辺調査を実施し、その後に内定を取り消すためには「合理的な理由」が必須です。
【合理的な理由】
- 採用候補者が留年してしまった
- 病気等で仕事ができなくなった
- 履歴書の内容に虚偽があった
- 採用条件として明示していた資格・免許の虚偽申告があった
- 内定者研修に参加しなかった
- 業務遂行に支障を来す重大な犯罪歴が発覚した
- 反社会的勢力との関係が確認された
- 企業側が経営難に陥った
上記のような合理的な理由がなく内定を取り消した場合、権利の濫用と見なされ内容取り消しは無効になります。
以上のことから、身辺調査は内定よりも前の段階で実施することが大切です。
違法になる可能性が高いケース2:採用候補者に直接関係のない情報を得る
厚生労働省では、採用試験時の身辺調査において次のように忠告しています。
本籍地や家庭の状況、家庭の環境等、就職差別につながるおそれのある身元調査は、採用 選考前はもちろん、内定後においても絶対におこなってはいけない。
採用候補者本人の適性や能力に関係のない事柄を採用基準にしない 事業所が従業員の採用選考に身元調査を導入することは、公正な採用選考を求める目的に反する 事業所においては、身元調査を実施せず、採用候補者の適性や能力によってのみ採否を決める公正な採用選考システムの確立に努めてほしい
(参考文献:厚生労働省「7.身辺調査(PDFファイル)」、「身辺調査について」)
また身辺調査を実施しなくても、採用選考では次のような事項を配慮するよう示しています。
<a.本人に責任のない事項の把握>
- 本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
- 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
- 生活環境・家庭環境などに関すること
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観、生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
引用元:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
このような事項を採用基準に入れると就職差別につながるため十分な注意が必要です。
求職者の立場では、内定取り消しについて不服がある場合、相手企業を訴えることが可能です。
とはいえ、訴える際には法律などの知識が必要になります。 学校の就職サポート課や労働基準監督署、ハローワークや行政機関の相談窓口、または弁護士の無料相談会などを活用しましょう。
合法の範囲:身辺調査の内容・調査方法
身辺調査で合法的に調べられる事項には次のようなものがあります。
- 反社会的勢力と繋がりは無いか
- 履歴書の内容(経歴・学歴(専攻分野)・職歴・退職理由・保有資格に虚偽はないか
- 前職の企業での勤務態度・勤務実績・退職理由
- 犯罪歴
- 自己破産歴
- 民事訴訟歴
- インターネット調査・SNS調査
- 近隣からの評判
上記のような内容について調査することは合法です。
なお、調査方法については以下のようなやり方があります。
- メディア情報の確認
- 公的情報の確認
- インターネット・SNS調査
- 候補者の前職の上司や同僚など、関連企業への聞き込み
とはいえ、人事部や採用担当者様におかれましては「ここまで調べていいものか」「これは違法に抵触するのではないか」など、ご不安な点も多々あることだと存じます。
訴訟問題や風評被害を避けるためにも、なにより信ぴょう性の高い情報を得て自社ブランドを守るためにも、身辺調査は専門家への相談・依頼をご検討ください。
24時間対応 通話料・相談料無料・秘匿厳守。安心してご相談ください。
採用試験における身辺調査は専門家にご依頼を

採用試験に身辺調査を導入する際、自社スタッフで調査をおこなうことも可能です。
しかし、前述したように違法行為に抵触したり、真偽不明の情報に惑わされたり、情報不足で本質を見抜けなったりなどのリスクが発生します。
安全・安心に、また信ぴょう性の高い情報を短期間で入手したいときは、専門家への依頼をご検討ください。
専門家1. 探偵事務所・興信所
探偵事務所や興信所は、特別な法律『探偵業法』で規定された調査が可能です。 個人や企業では調べにくい事項にも対応しており、法的リスクを考慮しながら多岐にわたる調査をおこなっています。
調査にかかる費用は、どこまで調べるのか、何人調べるのか、会社の規模や採用ポジションなどによって大きく異なります。
おおよその目安として、簡易的な調査であれば1件3〜5万円前後、より詳細な調査の場合は20万〜40万円程度になるとご認識ください。
費用を抑えたいときは、複数社から見積りを取ったうえで各探偵事務所・興信所を比較検討することをおすすめします。
専門家2. バックグラウンドチェック専門会社
幅広い調査をおこなっている探偵社・興信所に対し、採用試験における身辺調査=バックグラウンドチェックを専門としている会社もあります。
採用候補者の申告内容を調査したり、犯罪歴や破産歴、またSNS上での不適切な投稿をしていないかなど調査したりなど、採用リスクをトータル的に調べてもらうことが可能です。
調査費用においては探偵事務所や興信所とほとんど変わりはありませんが、こちらも複数社への相談・見積もりをおこなうことをおすすめいたします。
LCM総合探偵社の企業調査・個人信用調査
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調査項目の範囲も幅広く、適切なアフターフォローやアドバイスの実施、また予算に応じた調査プランの組み立てなど、ご相談者様に寄り添った調査が可能です。
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まとめ
採用における身辺調査は、企業と求職者、双方にとって正確な知識を必要とする領域です。
企業側におかれましては、採用リスクを最小化するためにも、また自社ブランドを守るためにも、身辺調査を得意とする専門家への依頼をご決断ください。
弊社・LCM総合探偵社では、採用試験における身辺調査をはじめ、身元調査や個人信用調査など幅広い調査をおこなっております。
まずは、無料相談窓口からお気軽にお問い合わせください。
安全・安心・クリーンな経営を守るために、採用時の判断を間違えないために、LCM総合探偵社スタッフが一丸となり全力でサポートさせていただきます。




